父と母の住まい

一軒家からの住み替え

三十年住み続けた一軒家からの住み替え。
長年の思い出の詰まった家。南庭もあった家。
でも、どこに行くにも車がいる郊外での生活は出不精になるし、
庭や家の手入れは老後特に大変だということで、街中のマンションへの住み替えを決意した。

閑静な地域にある見晴らしがよくバルコニーも広めの中古物件。
マンションにありがちな閉塞感がなかった。手を入れたらかなりよくなる!ということで即決した。

計画にあたっては、五感の快適性を大切にした。
素材感、自然、風、光、落ち着く気分。安らぐ気分。やる気になる気分。楽しい気分・・・
また、いつまでも元気ですごしてほしいが、
一人となったときでもさびしく感じない間取りということも心がけた。


きれいではあるが、「住みたい空間」というには程遠かったので全面改装である。
見晴らし抜群ながらちぐはぐなデッキも、生まれ変わる。


食卓:ZOOさんに作ってもらった 栃の一枚板テーブル。大人数の時は座卓に変身してわいわいと。

 
(左)囲われて暗く孤立していたキッチン。壁をなくし一体化させてアイランド部分を付け足した。
(右)床:智頭杉(+床暖房) 壁:吉野杉およびしっくいクリーム 天井:しっくいクリーム


リビングに隣接する和室は普段はなるべく開放的に、
かつ客用寝室としての使用時は完全にプライバシーを保ちます。
(板壁+二枚引き込み板戸)

 
(左)眠るところ+窓の外にデッキ。寝室には天井にも思い出の素材を用いる。
(右)木々のさざめきが見える書斎。デッキ→書斎→玄関と風と光を通す。


デッキを張り、庭木も古庭より運びいれました。
春秋の朝ごはん、孫たちのおやつ、木陰での読書と人気のスペース。
(外構設計:杉景 杉谷氏)

1990年築 リノベーション 京都市
SRCラーメン構造のインフィルのみ
延べ床:100㎡ 
洗面、風呂、トイレを除く全範囲
施工:(株)あめりか屋(京都市左京区)
掲載誌:「チルチンびと」57号掲載