一生モンの空間

こだわりのあるご家族のための智頭杉を使った住まい

賃貸からの住み替えをはかるため築10年のマンションを購入後、相談を受けた。

気持ちのよい広めの南庭がついたマンションの1階。
30代前半のご夫婦と小さな男の子。これから子供が育っていく住まい。
ずっと住むつもりで作ってほしいとのご希望だった。

南庭に面する窓ガラスをトーメイに入れ替え、庭を室内に取り込むよう計画した。
また、床材とウッドブラインドはご友人が製材された智頭の杉で視覚的、触覚的な優しさをもたらす。
以前より集めておられた北欧アンティークの家具も空間になじむように配慮した。

大きく間取りを変えず、収納スペースを要所要所に差し込み、引戸に替え、茶の間を整え・・・
素材や枠まわりのディテールを整えることで、印象はガラリと変わった。

京都市内で庭付きの平屋(一戸建て)を持つのは価格的にハードルがかなり高いけれど、
マンションの1階部分をこのようにしっかりと改修する方法は賢いなと感じた事例。

住み始めて、いろんな居場所から住まいの魅力を発見していると教えてくださったご主人。
みんなの思いを込めてつくったからこそ味わう感覚なのだなと嬉しくなった。

1996年築 リノベーション 京都市
RC造 インフィルのみ
延べ床:73㎡
範囲:ユニットバスを除く全範囲
施工:連工務店(滋賀県大津市)
撮影:市川かおり(特記なき限り)