木・樹・木

庭ー広縁ーいつもいるスペース

住まい手は60歳のご夫婦。
もうすぐ定年を迎えるにあたっての建て替えであった。

石・和紙・土・木などの自然素材をふんだんに使い、
「なんだか気持ちよく暮らせる」ような家を計画した。
普段過ごす場所のどこからでも庭が楽しめ、家の北側にはたっぷりとワークスペースが取ってある。

住まわれて6年。
住み心地は?との問いに、まず、いつも明るくからっとしていること。
痛かった足が治ったこと。冬が辛くなくなったこと。
夏も風がよく通ことで過ごしやすい。縁側で過ごす午前中が本当に気持ちいい。と言っておられた。


くつろぎの場所のどこからでも庭の緑が見え、広がりも感じられる仕掛けになっています。


玄関より縁側沿いには「ハレの空間」が並びます。裏側は家事動線や納戸が並びます。


白壁には左官、茶色の部分は板にオイルステン。周辺に優しくありたいので、高い塀は設けず、植木や石でなんとなく境界を囲っている。


壁:砂じっくり塗り。ざらざらとした質感と手仕事が味わい深い。

2002年 新築 大津市
木造軸組み2階建て
延べ床:148㎡
外構、植栽、建物本体
施工:(株)清水工務店(京都市山科区)
撮影:市川かおり